警備会社の管制室とAIカメラ監視をイメージした画像

AI・DX・省力化

警備業のAI・DX

2026年現在の警備AI・DXを、警備会社の経営者や管制担当者の視点から整理します。AI防犯カメラ、警備ロボット、管制・配置、上下番・勤怠、生成AI、ドローンを取り上げます。

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最終更新
2026/09/14

取り組みたい業務から選ぶ

現場AI、業務システム、導入手順、日報デジタル化から、自社の課題に近い入口へ進めます。

AI防犯カメラによる異常検知、巡回ロボット、スマートフォンでの上番・下番、AIを使ったシフト作成は、すでに現場で使われ始めています。

動きの主因は人手不足と高齢化です。警察庁「省力化投資促進プラン ―警備業―」では、警備員のうち60歳以上が47%、65歳以上が34.3%、70歳以上が20.9%と示されています。

警察庁「令和7年における警備業の概況」によると、令和7年12月末現在の警備業者は10,949業者、警備員は596,985人です。人数を増やすことだけが答えではなく、限られた人員で品質を維持することが課題です。

このページでは、2026年時点の警備AI・DXを、警備会社の経営者と管制担当の実務目線で整理します。

警備DXとは

警備DXは、紙をパソコンに置き換えることだけではありません。日々の業務をデジタル化し、使えるところにAIを足していく取り組みです。

対象になる業務は次のとおりです。

・配置、シフト、上番・下番、勤怠

・現場日報、教育記録、資格管理

・請求、給与

・巡回、カメラ監視、異常連絡、顧客報告

以前はバックオフィスの電子化が中心でした。いまは、現場そのものを支援する段階に入っています。

AI防犯カメラ・映像解析

カメラは長らく「録画して残す」装置でした。監視モニターを人が見続ける運用も、長時間になるほど見落としが出ます。

映像解析AIは、転倒、暴力、侵入、徘徊、うろつき、混雑、不審行動などを検知し、警備員や防災センターへ知らせます。

2026年8月19日にリリースされ、8月27日に発表された株式会社アジラのAI Security asilla Ver5.0は、行動認識AIと警備向けVLM「AsillaVision」を組み合わせ、対応が必要な事象に絞り込む製品です。人や車両を屋内外で捉え、既存のインターホン、スピーカー、パトライト、シャッターなどと連携できます。

運用の流れは次の5段階です。1. 監視する。2. 検知する。3. 対応が要るかを判断する。4. 警備員や防災センターへ通知する。5. 初動する。カメラを増やすだけでなく、この流れを社内で決められるかが要点です。

AI警備ロボット

警備ロボットは、巡回、映像送信、異常検知、温度確認、遠隔監視、警備員との情報共有に使われます。人が歩く巡回の一部を機械が担い、異常時に人が判断する形です。

2026年8月25日、ugo Proの福岡空港への導入が発表されました。対象は国際線だけでなく、国内線ターミナルも含みます。国際線は2026年6月から株式会社にしけいが、AI映像解析とロボット(ugo、SEQSENSE、アジラ)を組み合わせて運用しています。国内線は株式会社ファビルスがugo Proを使います。

目的は警備員をゼロにすることではありません。反復する巡回や監視をロボットが担い、人は判断、接遇、緊急対応に回す。1人の警備員が見られる範囲を広げる、という考え方です。

AI管制・配置

とくに2号警備では、毎日「誰をどこへ出すか」が業務の中心です。資格、労働時間、経験、移動距離、得意な顧客、残業、希望休、必要人数を同時に見ます。

クラウドの管制・配置システムはすでにあり、今後はAIが候補を出す使い方が増えます。中小警備会社で効くのは、社長だけが配置を分かっている状態、いわゆる属人化を減らすことです。

AIが出した案をそのまま確定する必要はありません。資格と法定配置は人が最終確認し、AIは候補作りと抜け漏れ防止に使う、という分担が現実的です。

上下番・勤怠・日報

上番・下番を電話やLINE、勤怠・日報・給与・請求をExcelや紙で処理している会社は、まだ少なくありません。入力が分かれていると、同じ内容を何度も書き写すことになります。

上番、勤怠確定、実績、給与、請求をつなぐだけでも、再入力は減ります。AIカメラやロボットを買う前に、情報をつなぐことが最初のDXです。

現場日報も、手書きの転記を減らすと、顧客報告の遅れと記載漏れが減ります。まずは「どこで同じ数字を2回入れているか」を書き出すところから始めます。

生成AI

生成AIは、日報の文章整理、顧客へのメール案、教育資料、手順書、営業資料、求人票、議事録、FAQ、法令の要約などに使えます。下書きを早く作る用途が中心です。

ただし、警備業法、資格、行政手続では、モデルの出力だけを根拠にしてはいけません。警察庁、都道府県公安委員会、都道府県警察、全国警備業協会の公式情報で確認してください。法令・手続の最終判断をAIに任せないでください。

ドローン・遠隔監視・センサー

ドローン、センサー、IoT、遠隔監視、顔認証、スマートグラス、ウェアラブルも、現場の見回りを補う手段です。工場、倉庫、太陽光発電所、インフラなど広い敷地では、人だけの巡回より組み合わせの方が向く場合があります。

業界の重心は、「人が現場にいること」そのものから、人に加えてAI、カメラ、センサー、ロボットを使う形へ移る可能性があります。導入の可否は、敷地の広さ、夜間の見え方、通信、天候、緊急時の駆けつけ時間で判断します。

なぜ今、警備DXが必要か

理由の中心は人手不足です。警察庁の省力化投資促進プランが示すとおり、高齢化はすでに数字に出ています。

一方で需要は残っています。空港、小売、イベント、建設、オフィス、物流など、警備が要る現場は減っていません。

構造は単純です。需要はある。人数は増えにくい。だから1人あたりの出力を上げる。AI・DXはその手段の一つです。

AIで警備員は不要になるか

現時点では現実的ではありません。現場判断、来訪者対応、トラブル、避難誘導、顧客連絡、緊急対応は、いまも人が担います。

要点は、AI向きの作業をAIに渡し、人向きの作業に人を集中させることです。例えばカメラ20台を人が全部見続けるのではなく、AIが異常候補を出し、人が確認する、という分担です。

中小警備会社が最初にやるべきこと

最初にロボットを買う必要はありません。順番は次のとおりです。

STEP1:紙、Excel、電話、LINEで回している業務を書き出す。

STEP2:同じデータを二重入力している箇所を見つける。

STEP3:管制、勤怠、給与、請求の連携を検討する。

STEP4:費用の低い生成AIから試す。

STEP5:その後に現場DX(AIカメラ、ロボット)を検討する。

目的は「AIを入れること」ではありません。削減できる時間、配置の負荷、ミスの減少から逆算してください。

これからどこへ向かうか

2026年は、「実験だけ」の段階を過ぎています。映像AIは実施設で動き、ロボットは空港で実証され、管制、上番、勤怠、日報、給与、請求はクラウドで回り始めています。

これらはつながっていきます。流れは次のとおりです。1. カメラが検知する。2. 管制へ通知する。3. 最寄りの警備員を特定する。4. 指示する。5. 現場へ向かう。6. 対応を記録する。7. 報告書を自動で整える。

本質は、機器を1台買うことではなく、業務全体をデータでつなぐことです。

まとめ

警備総合ナビは、AI警備システム、管制システム、AIカメラ、警備ロボット、生成AI、ドローン警備、上下番・勤怠、中小企業向けDX補助金、導入事例を、今後も同じ実務目線で追います。

見る基準は「中規模の警備会社が実際に得するか」です。料金、機能、事例、注意点を確認し、製品紹介だけで終わらないようにします。管制システムの比較、AIカメラの比較、ロボット、生成AI、補助金は、公開できる材料が揃い次第、このページから案内します。

最終更新日は2026-09-14です。数値と製品情報は、次の公式資料・発表を確認してください。

・警察庁「省力化投資促進プラン ―警備業―」 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/keibigyou/shouryokuka_plan_r7.pdf

・警察庁「令和7年における警備業の概況」 https://www.npa.go.jp/publications/statistics/safetylife/reiwa7keibigaikyo.pdf

・株式会社アジラ AI Security asilla Ver5.0 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000359.000043312.html

・ugo Pro 福岡空港(国内線・国際線) https://ugo.plus/information/2026/08/25/ugopro_fukuoka-airport/

・株式会社にしけい 福岡空港国際線ターミナル https://www.nishikeinet.co.jp/notice/2481.php

AI警備導入事例(実証と本導入を区別した表的整理、公式発表のみ)

2026年9月3日時点で確認できた事業者公式発表だけを、実証と本導入に分けて示します。編集部が当該システムを運用して測った数値ではありません。行の詳細は /articles/ai-security-case-studies にあります。

施設:東京ビルディング/発表元:アジラ公式(2026-09-01)/段階:実証/開始時期:2026年6月から約3か月/公式が述べた効果:当初想定していた効果を確認できたと記す。巡回時間削減の数値は当該発表にない/出典:https://jp.asilla.com/post/introduction-mitsubishi-tokyobldg-20260901

施設:東京ビルディング/発表元:アジラ公式/段階:本導入(本格導入)/開始時期:2026年9月/公式が述べた効果:転倒時の早期対応、立入禁止区域、敷地内の喫煙・駐輪・車路立入の注意喚起/出典:同上

施設:新丸の内ビルディング/発表元:アジラ公式(上記発表内の経緯)/段階:本導入/開始時期:2022年10月/公式が述べた効果:当該リリースは棟別の効果数値を掲載していない/出典:同上

施設:丸の内ビルディング、丸の内パークビルディング/発表元:アジラ公式/段階:展開(本導入)/開始時期:新丸の内の後(各棟の開始月は当該発表にない)/公式が述べた効果:丸の内エリア主要物件で運用。東京ビルディングで4棟目と公式は記す/出典:同上

施設:国内大型施設(当該リリースでは施設名を個別に特定していない)/発表元:アジラ公式(2026-06-24 AsillaVision)/段階:2026年春先行導入の後、2026年6月本格展開/公式が述べた効果:先行導入・自社検証で検知精度を最大約8割向上(転倒・喧嘩、2026年3月〜5月、公式注記付き)/出典:https://jp.asilla.com/post/news-asillavision-20260624

導入効果の読み方(公式が書いた効果 vs 未公表の巡回時間・省人化)

東京ビルディングの公式発表が効果として書くのは、転倒などが発生した際の早期対応、立入禁止区域、喫煙・駐輪・車路立入の注意喚起です。巡回時間削減%、省人化人数、ROIは当該発表にないため書きません。

AsillaVision発表の「最大約8割向上」は、公式注記どおり先行導入先と自社検証、転倒・喧嘩、2026年3月〜5月の比較です。全施設の平均値としては読めません。

編集部の実務上の見方:公式が書いた効果を自社の成功条件に落とすことと、未公表KPIを導入効果として社内資料に書かないことを分けます。製品レビューではありません。

人流・混雑(公式表現)

確認した公式発表は、注意行動として徘徊、混雑、体調不良を挙げています。「人流分析」という語と、通過人数などの公式数値は当該発表にありません。検索意図の説明に留め、公式表現は混雑の検知に合わせます。

施設の混雑検知と、2号の雑踏警備は契約も配置も別です。配置義務や検定の確認は /articles/security-type-2-basic を参照してください。

よくある質問

警備DXとは何ですか

紙や電話、Excelで分かれている配置、シフト、上番・下番、勤怠、日報、教育記録、資格管理、請求、給与、巡回、カメラ監視、異常連絡、顧客報告をデジタル化し、使えるところにAIを足す取り組みです。パソコン化だけで終わりません。

AIで警備員は不要になりますか

現時点では現実的ではありません。現場判断、来訪者対応、トラブル、避難誘導、顧客連絡、緊急対応は人が担います。AIは監視や候補出しなどAI向きの作業を受け持ち、人は人向きの作業に集中します。

中小警備会社は何から始めればいいですか

最初にロボットを買う必要はありません。紙・Excel・電話の業務を書き出し、二重入力を見つけ、管制・勤怠・給与・請求の連携を検討し、費用の低い生成AIを試してから、AIカメラやロボットを検討してください。

警備員の高齢化はどのくらい進んでいますか

警察庁「省力化投資促進プラン ―警備業―」では、60歳以上が47%、65歳以上が34.3%、70歳以上が20.9%と示されています。人数を増やすだけでなく、限られた人員で品質を維持する必要があります。

法令判断に生成AIを使ってよいですか

下書きには使えますが、警備業法、資格、行政手続ではモデルの出力だけを根拠にしないでください。警察庁、都道府県公安委員会、都道府県警察、全国警備業協会の公式情報で確認し、最終判断は人と公式機関に残してください。

県の講習・申請を確認

導入検討とあわせて、各県の講習・申請、法改正、行政処分の公式確認先へ進めます。

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※警察・公安委員会、警察庁、e-Gov等の公式原文を優先して案内しています。申請、届出、行政処分、配置義務路線などの最終判断は、必ず各公式機関の最新情報をご確認ください。編集方針は運営情報に掲載しています。